食べていいオイル、体にぬっていいオイル

”油を売る”というと仕事の途中で怠けるという意味ですが、この語源をご存知ですか?

 

江戸時代、油売りが家庭をまわり油を売っていた時、油は粘調性があるため油を分けるのに時間がかかったため、傍からはサボっているように見えたからだといいます。しかし油売りは世間話をして怠けていたわけではなく、油はその種類によって使い方が異なり扱い方が難しいためそれを主婦たちに教えていたという説もあります。

 

実は油には、食べて良い油、食べない方がいい油、食べるのにはよいけど体にはぬらない方がいい油、体にはぬっていいけど食べない方がいい油があるのをご存知でしたか?

 

油ごとに分子組成が異なるため、皮膚や体の組織に及ぼす作用や効果に違いがあります。ですから、食べるオイルと体に塗るオイル、体質にあったオイルは正しく使い分ける必要があります。

 

 

オイルテラピーに適しているオイル(体にぬるとよいオイル)

アーユルヴェーダなど世界の伝承医学で共通してもちいられているオイルはすべて不乾性油です。不乾性油は分子構造上、マッサージに使用して空気に触れたり、光にあたっても変化がおこりにくい安定的なオイルです。

 

具体的には酸化安定性にすぐれている飽和脂肪酸や1価不飽和脂肪酸を主成分とする椿油、オリーブ油、ヒマシ油、ピーナッツ油、アボカド油、ホホバ油、やし油など

 

 

オイルテラピーに適さないオイル(食べるとよいが体にぬってはいけないオイル)

半乾性油、乾性油は分子構造上、空気に長時間接触すると化学反応が起こり酸化されていきます。このため、これらの油を肌につけると空気や太陽の光にふれることで酸化がすすみ肌トラブルの原因となります。

 

しかしこれらの油は必須脂肪酸という体を動かし、思考し、判断するもとになる人間にとって大切な栄養源です。

 

ただし食べ方には注意が必要です。加熱すると体を錆びつかせる過酸化脂質に変化し体にとって有害になるため、天ぷらやフライに使ってはいけません。

 

とくに紅花油、大豆油、シソ油、亜麻仁油(フラックスシードオイル)などに含まれている多価不飽和脂肪酸は熱を加えずサラダのドレッシングなどに使用し早めに使い切ります。特にアトピー性皮膚炎やアレルギー疾患のある人はシソ油を食べるのがよいです。

 

半乾性油は、光や熱などによって酸化が進む2価不飽和脂肪酸がおおいオイルで、生ごま油、コーン油、アーモンド油などがあります。

 

乾性油は空気中におくと酸化変性しやすい2価および3価の不飽和脂肪酸が多く含まれるオイルまたは高度不飽和脂肪酸を含むオイルで紅花油、大豆油、しそ油、亜麻仁油、ローズヒップ油などがあります。

 

 

オイルテラピーに適さないオイル(食べるのも体にぬるのもやめた方がいい油)

動物性の油、鉱物油、トランス脂肪酸(マーガリン、ショートニングなど)がこれにあたります。